近年、星を撮影できるスマホが多くなってきた。天の川が写るという宣伝も見るし、かくいうボクも星の写りやすさでスマホ「Zenfone 3 Laser」を選んだ。そうしてスマホで撮った天体写真は、ときに一眼レフの写真と勘違いされて困る(笑)。
便利で手軽なスマホ天体写真の世界へようこそ。
スマホ天体写真のすゝめ
拙作ながら、スマホで撮影した星空や月、プラネタリウムの写真をご紹介。拡大すると星を見やすいと思う。
どれもその場の思いつきで、1,2分で撮っている。きれいな花を見つけて撮るノリと変わらない。作品と呼べるほどではないが、すこし旅行先で見た星空を思い返すには十分だし、なによりラクでコスパがよい。
スマホで星を撮る方法
スマホでの星の撮り方を、なるべく手短にご説明しよう(おそらくこの記事をご覧の方の大半は、いま満天の星空の下にいると思うので)。
まず知っておきたい、天体写真のキホン
これはスマホにかぎらずどんなカメラでも言えることだが、星を写すだけなら、コツさえつかめば誰でも簡単にできる。もしあなたが星を撮ろうとして失敗した経験をお持ちなら、その原因を潰すだけでよい。
原因は“暗さ”だ。夜は暗くてピントが合わないし、星も写真に写るほど明るくはない。そこで自分でピントを合わせ、星が明るく写るような工夫をする。この指針(コツ)さえ覚えておけば、どんなスマホでも、どんなカメラにでも応用可能だ。
カメラの設定
上記の指針にもとづいた、具体的な工夫は次のようになる。
おそらくマニュアル(M)モードに、細かな設定機能が備わっているはず。機種やアプリによって、できる設定とできない設定がある。できるかぎりで設定して、試しに撮ってみよう。
- ピント
星は遠くにあるので、ふつうは無限遠か、ほんの少しその手前にする。基本は手動(マニュアルフォーカス(MF))で設定しよう。遠くのものに自動でピントを合わせてから、固定する方法もアリ。 - シャッタースピード
イメージは、光を貯める時間。星は暗いので、長いほうが写りやすい。最初は15秒くらいに設定して、明るすぎたら短く、暗ければ長くしよう。露出時間、露光時間ともいう。 - ISO感度
センサーの感度。星は暗いので、大きいほうが写りやすい。最初は800や1600あたりにして、試し撮りの結果から適宜変えてみよう。 - 絞り値
この設定があるカメラアプリはあまりないと思うが、一応。
簡易イメージとしては、写す光を調整する値。小さければ明るく、大きければ暗くなる。星は暗いので、一番小さくしておけば問題ない。 - ノイズ低減
ISO感度やシャッタースピードを大きくすると、ノイズも増えるのでON。 - ブレ補正
暗い場所では逆効果になるので、OFF。
スマホで星を撮ってみよう
設定が終わったら、さっそく星を撮ってみよう。
コツはスマホを固定すること。シャッタースピードを長くしているので、不安定だとブレてしまう。
一番よいのは三脚に据えつけることだが、いつも持っているわけではないし、ちょっと面倒くさい。ボクも滅多にやらない。地面においたり、何かに立てかけたり、頑張って工夫する。
ただし地面においたらシャッターを押せないし、何かに立てかけても触ったときの揺れで、失敗しやすい。そういうときはセルフタイマーに活躍してもらおう。
あとは注意したいのが、スマホの画面の明るさ。夜の暗闇では液晶を明るく感じるため、たくさん星が写っているように見えがちだったりする。昼間に確認するととても暗い写真だった、なんてことが往々にしてある。気持ち明るめで撮影したほうが上手くいくことが多い。
撮り方はこんなところだろうか。やってみると案外簡単だと思う。
きれいな写真を撮れますように。