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『アローの野帳』は、天文や宇宙開発、地学からサブカルに至るまで、アローが興味関心事をざっくばらんに綴る個人メディアです。

自己紹介

北アルプス・燕岳の標高2,712m付近にて。着膨れしないよう上着を脱いで、寒さに震えながら自撮り(笑)

アロー

宇宙好きの大学院生です。
ふだんはロケットエンジンの研究をしています。

むかしから自然科学方面への好奇心が強く、よく星を眺めたり、ジオいところへ出かけたりします。

太陽系を巡検するのが夢です。

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以下、かんたんなボクの略歴です。

  • 20世紀終盤に生まれる
  • 香港に住む
     小学生のころは香港に住んでいました。人種、言葉、文化の雑多な国際都市で、公園にいる十数カ国の子どもたちと即席チームを組みサッカーをしてました。ここで英語を身につけておけば、いまごろ苦労しなかったろうに……(笑)。けれども固定観念に縛られないグローバルな空気感や価値観みたいなものは、すんなり染みついた気がします。 

    中国の長征2号Fロケットと、スケッチブックを片手にしたボク。香港と三角州を挟んで対岸の街、珠海での航空宇宙展にて。このころは古生物学にめっぽうハマっていましたが、次第に関心は宇宙へ移りました。

  • 地学部での研究
     帰国後、中高時代は地学部にいました。これがおもしろかったです。南極越冬隊員だった顧問の「本物を自分の眼で見て確かめよ」という方針のもと、各地へフィールドワークに出かけたり、雲や光害の観測・研究をしたりしていました。天文台に通って天文学者の先生に指導してもらい、友人の助けも受けながら、学会で研究発表して賞をもらったのはよい思い出です。けれども想定すべきパラメータが多すぎ、数年ではデータも足りず、明確な結論にたどりつけませんでした。はじめて研究のおもしろさと難しさを知りました。

    地学部の合宿で訪れた清里にて。

  • 成層圏に気球を飛ばす
     大学生になると、ロケットを自作するサークルに入会。そこで学生でも宇宙まで飛ばす方法はないかと考え、成層圏に浮かべた気球からロケットを空中発射するチームを立ち上げました。しかしプロジェクト・マネジメントは不慣れだったし、新しいことをするのに逆風は付きものです。「机上の空論の天才」と言われたときは刺さりました(笑)。友人たちの助けや大学外の方々の協力もあり、なんとか引退をまえに成層圏へ気球を飛ばす実験をできました。いつも友人に助けられてばかりです(笑)。感謝。数年が経ったいまはコロナ禍にもめげず、後輩たちが空中発射に向け実験を重ねています。

    カメラが捉えた成層圏の景色。暗い宇宙とベールのように薄く青い大気層が見えます。誰かに見せても、ボクらが撮ったと信じてもらえないのがちょっと残念(笑)。

  • ロケットエンジンの研究
     大学院生のいまは、研究室でロケットエンジンの研究してます。

    実験で訪れたJAXA角田宇宙センターでの一コマ。JAXAのロゴが付くとなんでもカッコよく見えるからズルい(笑)。

『アローの野帳』でやりたいこと

 ボクが『アローの野帳』でやりたいのは、自分なりの「博物誌」をつくることです。

 小さいころ、ボクは図鑑を眺めたり博物館に行くのが好きでした。珍しいものを見たり、新しいことを知るのが楽しかったのです。けれども博物館で見たもの、知ったことをすべて覚えておくことはできません。気に食わなかったボクは、スケッチブックを持ち歩いてひたすらスケッチをとるようになりました。

 中学で地学部に入ると、スケッチ癖はすこし形が変わります。持ち歩くものがスケッチブックから野帳(やちょう、フィールドノート)になりました。思いついたアイディアや見聞きしたことを書き連ね、外部脳のように使っています。記録も残るので日記やダイアログとしても便利です。

どこに行っても野帳を持ち歩く。日本で唯一の砂漠、伊豆大島の裏砂漠にて。

 そうして10年以上書きつづけ、野帳はもうすぐ40冊になります。学会で聞いたマニアックな話、フィールドワークでの観察記録、一対一で取材した町工場や省庁の人、研究者のお話――おもしろいネタがたくさん転がっています。

 しかしここまで増えると読み返すのも大変です。個人的な懐かしいメモの粋も出ず、宝の持ち腐れな気がします。そのままにしておくのはもったいない。そこで備忘録として整理しつつ、ニッチですが好奇心の産物をネットにまとめようとしているのが、弊ブログ「アローの野帳」です。

 古代ローマの大プリニウスは、古今東西の見聞きした情報を『博物誌』という書物にまとめたそうです。それほどのものを作ろうというのはさすがに大げさですが、ひとりの人間が生涯で学んだり、見聞きしたり、考えたりしたことをまとめてみたらおもしろそうだと思います。

 すこしでも楽しんでいただけたら幸いです。

大プリニウス著『博物誌』。ポンペイの噴火をはじめ、古代ローマ時代のあらゆる知識がまとめられている。写真は現存する最古の印刷本のひとつ。国立科学博物館の大英博物館展にて。

※記事は書いた日ではなく、基本的にその出来事があった日で並べることにしています。必ずしも最新記事がトップにくるわけではありません。ご了承ください。