香港を象徴する景色といえば、細く高く伸びる高層ビルやアパートだろう。無数の窓ガラスがならぶその景色は、画一的な集合体のようですこし怖い気もしてくる。
しかしその一つひとつをよく見ると、各部屋にはすこしずつちがいがあり、個性がある。うだるような亜熱帯の気候とヒートアイランドの生温かい空気にも慣れれば、建物の壁面に無造作に増設された室外機にも、風情を感じられるようになってくる。人々の多様な生活が息づいているのをうかがえる。
香港の一般的なアパートの壁面は、すこし薄汚れ、過密に窓がならぶ。それぞれの部屋に個性が見られ、無造作に取り付けられた室外機からは、人々の生活を感じられる。
高層マンションの合間で、観光客がストリートアートを撮って楽しむ。重なるようにひしめく建物で背景が埋まるのは、香港ならではの光景だ。
マーケットが休みでも、坂道のため一息つく人や手をつないで歩く親子連れなど、人が途切れることはない。
そびえる建物から地上へ視線を下ろすと、高さ方向に緩和されていた人口密度がうんと濃くなる。ビルの合間では人々のエネルギーが渦巻いている。無秩序なネオン看板、道にせり出す露店、街を歩く親子の笑い声や商売に励む初老のおじさん、おばさんのかけ声 ―― 往年の爆発のような活気はないかもしれないが、その文化の片鱗はいまも垣間見えた。
ビルの合間で、道を埋めるようにたくましく露店が立ちならぶ。近代的なガラス張りの高層ビルと、ディープな世界が隣接している。
香港島を横断する2階建てのトラムから、街並みを眺める。夕暮れ時のビル影に映る陰影のあとには、ネオンが輝く夜の喧騒がはじまる。
旺角の女人街は、夜になると食べ歩きと買い物の客で活気づく。近年はアートが増え、文化的な趣きも。
商店がならぶ旺角駅前には、頭上にネオン看板が突き出ている。安全のため数を減らしているそうだが、ナイト・マーケットの雰囲気は残っている。