高校時代、友人たちから土星人と呼ばれていた、アロー(@shudooooooon)です。
土星が衝だった。太陽-地球-土星がだいたい一直線に並び、土星が見頃になる時期だ。
本当は、きれいな土星の写真を撮ろうとしただけだった。写真撮影には失敗したのだが、その失敗作を分析した結果、意外な事実が。
衝の土星撮影に悪戦苦闘
ボクは先週から慢性的睡眠不足に悩まされ、周囲が霞んで見えるほどだったが、年に一度の衝、こんな時に見ないでいられるワケがない。
故障を直した赤道儀のテストも兼ねて、望遠鏡を〈家之前(ウチノマエ)宇宙空間観測所〉にセット。
低空だったし、風もあって不安だったものの、強行した。
結果はご覧の通り。
くっ、暗い……。
〈家之前宇宙空間観測所〉は南側にあるから、北極星が見えない。これは星好きにとっては重大な問題で、北極星を導入しないと、赤道儀で星を正確に追尾するのが難しい。
惑星写真はかなり拡大して撮影するから、いくら北極星の位置を悟ることができても、ちょっとズレていれば、あっという間に視界からさようならである。
となると、どうしてもシャッタースピードを速く、感度を上げて明るく撮るしかない。そうして撮れたのが暗い画像だ。残念。
ならば、50枚撮った土星を、コンポジットすれば良いではないか!
ダメだった。暗すぎて、自動検出に失敗した。
仕方がないので、テキトーに撮った写真から選んで、画像処理とトリミングをした。
今回はこれが精一杯である。ガリレオが土星を見て「耳がある」と記したのも納得の、あまりよろしくない一枚。
この写真のどこかに、9月に土星に落ちて燃え尽きる、NASAの探査機〈カッシーニ〉がいるのか。
〈カッシーニ〉、最後まで頑張れ。
土星のリングが星本体よりも明るい!?
ところで、先日おもしろいことをTwitterで知った。
土星が衝のとき、土星のリングを形作っている粒子同士の影が落ちないため、リングが普段より明るく見えるらしい。
その名も、「衝効果(ハイゲリシャイン効果)」。以下のサイトが、少し古いが詳しい。
土星のトピックス 2004-05年‐天文ガイド 2005年5月号
衝のときだけでなく、リングが開いて見えるときはいつでもそうなるようだ。なるほど。考えたらそれはそうだが、データを見て納得である。
さて、早速自分でも、撮影した土星を国立天文台のフリーソフト〈Makali`i〉で測光してみた。
その結果。なんと土星の環の方が、本体よりも明るいではないか!!!
そうはいっても、衝以外のときの写真で測光しないと、比較できない。これだけで衝効果とは、まだ言えないだろう。
また土星を見よう。