京都有数のパワースポット(?)鞍馬。鞍馬天狗伝説だったり、源義経育ちの地だったりと、歴史も深い。
そんな鞍馬をハイキングしてみたら、鞍馬寺境内のあちらこちらで石についての説明が!? 最後はフォトジェニックな旧暦の七夕の貴船神社へ。
階段地獄の鞍馬寺
叡山電車の終点「鞍馬」で下車。帰りはとなりの貴船口駅まで歩くコースだ。
駅前には天狗がいる。義経が子供の頃にはすでに天狗伝説はあったらしいから、その歴史は相当なはずだ。
しばらく行くと山門があり、いよいよお寺らしくなってくる。
山門前の旅館がジブリっぽくていい(笑)
階段ばかりだなあと思っちゃうけれど、まだまだこんなもん、かわいいほうだったんですよね……
緑豊かでフォトジェニックなところも出てくる。いよいよハイキング!
源義経供養塔。といっても、1940年に立てられたものらしいので、手を合わせてさっさと通りすぎる(笑)。
ここからが大変だった。
ウゲーッ、ここまでも上り坂とか階段だったけど、コレ、登るの……?
で、どれだけ登ったかわからないくらい登ると、曲がり角で新たな階段を発見(笑)。
お寺だしちょっと大変なくらいだろうと思っていたのだけれど、これはもう軽い登山です。高尾山とあまり変わりません(笑)。
そりゃあそうか、義経が修行してたくらいだし。
ちなみに、実は途中までケーブルカーがある。ハイキング目当てじゃない方、間違いなく使ったほうがいいですよ(笑)。
鞍馬山は石の博物館?
しばらく登ってヘトヘトになったころ、城壁のような石垣に出くわした。
よく見ると説明書きが。
やけに詳しいではないか。
1億年前というと白亜紀。ティラノサウルスみたいな恐竜がいた時代。
この頃、日本列島はまだ存在しないが、将来日本列島になる場所で、火山活動が活発になったらしい。地学の教科書と時期が一致する。
ところで、全然話と関係ないけれど、看板の後ろの石にご注目。トカゲがムカデを仕留めているのが写ってしまった(笑)。
さらに登りつづけると、どうやらここが本殿らしい。
本来なら手を合わせるべきところだが、パワースポット目当ての人も多いし、素通り(笑)。
さて、階段は延々とつづく……。
にわか石マニアもどきのボクにはよくわからないのだが、右側に岩肌が露出しているの、いいよね。何の岩かわかってないけど。
何やら家のようなものが。
「冬柏亭」という、与謝野晶子の書斎らしい。わざわざ東京から移築したらしいが、なんでこんなところに?
本格的な山道に入っていくと、何やらまた看板が登場。
今度は2億年前、ジュラ紀の砂岩! アロサウルスとか、背中に板生やしたステゴサウルスとかがいた時代の岩。落ち葉で見えないけど。白亜紀より少し戻ったな。
それにしても石の看板、多い。ここ、お寺の境内じゃ……?
さらに登ると、今度は三畳紀! 恐竜が誕生した時代より前までさかのぼった。
ほかにも石の説明の看板がしょっちゅう出てきた。
実は鞍馬山、いろいろな時代の岩が露出しているし、地質学的に注目されているらしい。京都の他の場所と比べても特徴的だとか。
にわか石マニアもどきのボクは、そんなことはまったく知らなかった。早く知っていればもっと調べてから行ったのに……! ちょっと勉強してから、もう一回行きたいな。
となりに義経が背を比べたとかいう石があるが、そのへんの石と背比べなんてする奴がいるか?(笑)
それはともかく、大事なのは左の看板。
玉ねぎ状風化だと! おおー、地学っぽい(笑)。
玉ねぎ状風化とはその名の通り、玉ねぎの皮が取れるみたいな風化だ。見た目がおもしろいのだけれど、今回は地下。残念。
ここもパワースポットらしいが、硬い地質のせいで木の根がむき出しになってしまっている。義経はここで修行していたそう。
で、倒れると、こうなると。迫力がすごい。
木の根道を抜けると、下山コースへ。やっと下り。登り、長かった。
義経は今も鞍馬山に霊としているとし、それを奉っている義経堂。
義経は東北で自害したのち、モンゴルでチンギス・ハンになり、そのあと鞍馬まで帰ってきたわけだ(笑)。
まあ、それは冗談として、ちょっと手を合わせる。
はい、今度は白っぽい石灰岩。
恐竜がいた中生代よりもはるか前、古生代ペルム紀のもの。
こちらはチャート。同じくペルム紀のもの。
それにしても、本当にいろいろな石があるんだなあ。まるで博物館にいるみたいだ。
ただ、残念なのはその多くが地衣類や落ち葉、土に隠れてしまっていること。今度はもう少し見やすそうな冬に行こうかな。
フォトジェニックな旧暦の七夕の貴船神社
ハイキングコースを抜けると、有名な貴船の川床が。この時点でもう足がガクガクだが、ちょっと歩いて貴船神社へ。
貴船神社。全国に散らばる貴船神社の総本社だそう。
外国人もたくさんいたが、そんなに有名なのだろうか……?
鳥居などの朱色と、緑のコントラストがとても美しかった。
訪れたときはちょうど旧暦の七夕のころ。短冊も加わって、なんとも日本らしい調和の取れた美しさがあった。
なるほど、外国人に人気がでるわけだ。
なかなかフォトジェニックな景色。
景色もいいが、このあと食べた貴船そばも素晴らしい味だった。絶品。
ボクは人気の観光地は好かない。定番の観光コースも、そういう場所で食べるグルメも、おもしろい、美味しいと思ったことはあまりない。が、貴船そば、これは美味かった。
もう少しお金を出せれば、もっと美味しいものをたくさん食べられそうだった。これだけでも来た価値がある。
そばを食べたのち、貴船口駅へ。
この駅舎がちょっと変わっていた。縦に長く、緑に包まれていて情緒がある。
駅も七夕ムード。なんだかここも神社みたいだなあ(笑)。
鞍馬・貴船。「ちょっといい写真を撮れそう」くらいにしか思っていなかったのだが、予想以上におもしろそうだ。特に鞍馬山の地質は、もっとしっかり勉強してからもう一度行ってみたい。