能代ロケット実験場の真空燃焼実験設備
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今夏もロケット三昧だったアロー(@shudooooooon)です。

ひと月でロケットのためだけに、秋田にも種子島にも行った。ホント、ロケット三昧。

まずは秋田県、〈JAXA能代ロケット実験場〉の一般公開。

最近、再使用ロケットの試験準備が始まったと話題になっている。

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ロケット臭がプンプンする筒の正体

能代ロケット実験場は、秋田県能代市の海岸にある。

筑波や相模原種子島に比べると、なんだか物置きって感じ。ここもJAXAなのか……?

JAXA、なのか? 町内会の祭りじゃないの?

しかし、ここはやっぱりJAXA。正門から見える範囲に、ロケット臭がプンプンする筒が置かれている。

「ただの筒だけど、固体燃料でも入れたりするのかな?」と、この段階では思っていた。

こういうの見ると、なんだかテンション上がるね! うん。

一際大きくて目立つ建物、〈真空燃焼実験棟〉へ。

中はこんな感じ。職員の方が使い方を説明してくれた。

クレーンでロケットエンジンを設置、調整して固定。左側の蓋を開いて噴かす。意外と単純。

手作業だし、思ったよりもローテク。最近思うけれど、宇宙開発って最先端技術に見えて、意外とDIY要素多いよな?

能代では固体燃料の試験が中心らしい。

さて、職員の方に質問するチャンスだ!

入り口にある筒について聞いてみると、ひとつのパネルを指した。

この写真の煙の根元、水色と赤の筒が見えるだろうか?

これ、〈真空燃焼実験棟〉というだけあって、エンジン内部を真空にする装置なのだそうだ。燃焼試験中、少しでも空気を抜くための筒だとか。

職員「覗いたら、焦げた跡がよく分かると思うよ」

ボク「でも、なんであんなところに?」

職員「デカいし、有毒ガスが通り抜けてるから捨てるの大変で(笑)。とりあえず、あそこに置いておけば展示になるし、時間が経てば無害になるし」

ボク「それ……覗いても大丈夫なんですか?」

職員「まあ、もう大丈夫だと思うよ。ああ、でも、ずっと見てるのは、あまり体に良くないかもしれないなぁ・・・」

そんなこと言われたらガッツリ見るしかない(笑)。しっかり覗き込んで観察。

ロケットのガスの通り道。いやぁ、焦げてるなあ・・・(特に奥のほう)。

日本の再使用ロケット、SpaceXとの違いは?

再使用ロケットといえば、いま世界の覇権を握っているのは〈SpaceX〉。宇宙開発業界の東インド会社。人工衛星を打ち上げてから着陸するのはカッコよすぎる。

〈ファルコン・ヘビー〉のブースターが2機同時におりてくるCGを見て、「アメリカ人はデカいこと言うなぁ。まあ、どうせあとで計画変更するんだろ?」と思ってたら、マジでやりやがった実写で見たときの感動よ。あれはスゴい。

1:27あたりから2機のロケットが並んで着陸する。実写。

もう完全にアメリカに出し抜かれた感じだけれど、今になって日本もやっと、重い腰を上げたらしい(実は昔からたくさん実験していたけれど、国に予算を切られた歴史がある。それが今になって日本政府は焦りだした)。その実験準備がはじまったというのが、能代ロケット実験場だというので、すこぶる期待して来たわけである。今回の目当てはコレだ。

で、ここで残念なお知らせ。撮影禁止でした!

まあそうだよね。最新技術だもん。仕方ないので、貧弱なボキャブラリーでカバーを試みよう。

実験設備そのものは、小さな町工場みたい。大きく宣伝されていたから、もっとドーンと出てくるかと思っていて拍子抜けちっちぇ!

足組みにエンジンが下向きに取り付けられている(これから取り付ける?)らしい。上からカバーがしてあった。そう、写真を撮れたとしても写るのはカバー。写真がなくても全然心配ない。ちくしょう。

ちなみに撮れたのは、真空燃焼実験棟に置かれていたこのロープだけ。再使用ロケットのコードネーム? 〈RV-X〉と書かれている。クレーンで使うのかな。

職員の方の説明はとても丁寧だった。で、ズバリ!質問した。

ボク「再使用ロケットといえばSpaceXですが、ここで作ってるロケットとの違いは?」

職員「はいはい、やっぱりそこですよね」

ボク「はい」

職員「SpaceXは衛星打ち上げてから帰ってきますよね? だからあれはすごいんですけど。ビジネスになってるし。でもうちのは、完全に行って帰ってくる」

ボク「???」

職員「うちの場合は衛星打ち上げじゃなくて、人とか乗せて宇宙に行って、そのまま帰ってきて、また打ち上げる。だいたい100回くらい」

ボク「つまり、飛行機みたいに?」

職員「そうそう。衛星打ち上げ用ロケットは多段式で、使い終わった段切り離しますよね? そうじゃない。単段で行って帰ってくるんです」

ボク「なるほど」

職員「あと、燃費も違いますね。SpaceXはコスト削減のためか燃料の関係で燃費が悪いです。うちのは燃料もいいやつ入れて燃費がとてもいい」

ボク「じゃあ、そもそもSpaceXとは目指している先がちょっと違うということですか」

職員「SpaceXはビジネス。うちは高性能を目指してます」

どうやら、一昔前に話題だった〈宇宙丸〉の計画復活らしい(この名前、なんとかならなかったのか!?)。とはいえ、よくよく考えたらこのコンセプト、SpaceXのBFRに結構近い。もしSpaceXよりも安全で高性能な船ができたとしても、値段が張れば乗る人は減る。有名な航空会社より、格安航空を選ぶのと一緒。

しかも、アメリカのBlueOrigin社や中国のlandspace社も、再使用ロケットを作りはじめている。まあ、JAXAもヨーロッパとの共同開発計画があるけれど。

つまり、高性能な宇宙船が完成したあと、いかに安く社会に浸透させるかという問題が浮上するかもしれない。JAXAは国の機関だから、ビジネス抜きで性能を求めることに力を注げるメリットがある。ただ、できあがっても使われなければ意味がない。そこまで考えて今から対策が必要な気がする(まあそんなこと、とっくに考えられてると思いたい)。

計画はまだ始まったばかり。まだ飛んでもいない。燃焼試験もはじまっていないフェーズだ。これからどう進んでいくのだろう?

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噴射でボロボロになった鉄筋コンクリート壁

能代ロケット実験場、こんなものもある。

ロケットエンジンのガスを受け止める(?)壁。よく見ると、中央あたりから円形の模様がある。近づいてみると・・・

かなり頑丈そうな鉄筋コンクリートが、ボロボロ!

職員の方によれば、1回実験すればこのくらい壊れるらしい。そのあと、あまり壊れず今に至る。

1回でこうなるってどんな威力だ・・・。怖っ。

さすが宇宙まで行くロケットエンジン、モデルロケットとは違うわ(笑)。

エンジンはしっかり固定される。噴射で飛ばないように深く杭が打たれていたり(海の前だから水が出てきて大変だったとか)、エンジンの推力に合わせて建物がレールで動かせるようになっていたり。工夫がいろいろ見られておもしろかった。

ほかにも、超電導の実験やリアクションホイール(人工衛星の姿勢制御する部品)の仕組みを体験するコーナー。そして、ボクの大学の先生が昔開発したというエンジンの模型まで、いろいろあった。

あとは、最近試験したという小型エンジンの話。どの職員も詳しく話さず、スルーするのが怪しい(笑)。勝手に、最近できた民間企業のロケット(コードネーム:ミツミネ?)じゃないかと推測。

小さな施設だし、2時間くらいで十分、と思ったが半日くらい欲しいかも。

オマケ

JAXAロゴ、いくらカッコいいからって、トイレにまで付けなくてもいいんじゃないの?

まあ、ちょっとカッコいいけど(笑)。

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