『アローの野帳』は、天文や宇宙開発、地学からサブカルに至るまで、アローが興味関心事をざっくばらんに綴るWebマガジンです。
記事は書いた日ではなく、その出来事があった日で並べています。
必ずしも最新記事がトップにくるわけではありません。ご了承ください。
INDEX
知的好奇心の赴くままに。
この世界には好奇心をくすぐられる物事がたくさんあります。
アジアゾウに足の裏でマッサージしてもらう感触。成層圏から撮った眼下の地球の光景。北極圏の凍てつく大地で犬ゾリを走らせる体感――。
そんな好奇心から生まれた体験やアイディアを、10年以上にわたって野帳というノートに綴っています。しかし普段は本棚に眠ったまま、メモ書きの域を出ません。
それではもったいないので、ここに整理しまとめることにしました。
ボクにとっては自分の足跡を辿るためのログです。しかしながら、もし『アローの野帳』が読者の皆様の好奇心をもくすぐることができるなら、とても嬉しく思います。
プロフィール
アロー
東京で新卒のSEとして働いています。
特徴は旺盛な好奇心です。まだフグが食べられるか分からない時代に生まれていたら、最初に口にすると思います(笑)。
特に宇宙と地学に関心があり、生きているあいだに太陽系を巡検してみたいと思っています。当面の目標は、自作のシステムを宇宙で動かすことです。
略歴
- 20世紀終盤に生まれる
- 香港で育つ
8歳から13歳まで香港に住んでいました。さまざまな人種、言葉、文化が交じる国際都市で、公園にいる十数カ国の子どもたちと即席でチームを組み、サッカーやバスケをして遊んでいました。東アジア各地によく出かけていたこともあり、旺盛な好奇心と固定観念に縛られないグローバルな空気感が、この頃に染みついたと思います。
当時、古生物学にハマっていましたが、次第に関心は宇宙へ移りました。長征2号Fロケットのまえで、スケッチブックを片手に。香港と三角州を挟んで対岸にある街、珠海での第6回航空宇宙展にて。
- 地学部での研究
帰国後、中高時代は地学部にいました。南極越冬隊員だった顧問の先生が「本物を自分の眼で見て確かめよ」という方針で、全国へフィールドワークに出かけたり、雲や光害の観測をしたりしていました。天文台に通って天文学者の先生の指導を受けながら研究し、友人と学会発表で賞をもらったのはよい思い出です。うまくいかないこともたくさんありましたが、初めて研究のおもしろさと難しさを知りました。オリオン座と。地学部の合宿で訪れた清里高原にて。
- 成層圏に気球を飛ばす
大学生になるとロケットを自作するサークルに入りました。そこで学生でも宇宙を目指す方法を考え、成層圏に浮かべた気球からロケットを空中発射するチームを立ち上げます。
ところがプロジェクト・マネジメントは不慣れでしたし、新しいことに逆風は付きものです。「机上の空論の天才」という言葉は刺さりました(笑)。
仲間の助けや大学外の方々の協力で、なんとか引退まえに成層圏へ気球を飛ばす実験ができました。いつも助けられてばかりです(感謝)。いまは後輩たちが空中発射の実験をはじめています。カメラが捉えた成層圏の景色。暗い宇宙とベールのように薄く青い大気層が見えます。
- ロケットエンジンの研究とその後
研究室に入ると、ロケットエンジンの設計や燃焼実験をしていました。機械工学の修士号をとったものの、ブラックな環境で心身を病み、進路にも悩みます。
宇宙開発を進めるには何をすればよいのか? ボクに果たせる役割は?
考えを巡らせた結果、畑違いのシステム開発の世界に飛びこみました。この選択がよかったのかどうか――これから長い時間をかけて答えに辿り着こうと思います。実験で訪れたJAXA角田宇宙センターでの一コマ